ヤスハラ・マーケティング・オフィスの近況

12月11日

年末となってきました。


◆新しい業務
拙著「ブランディングの基本」を読んでいただいた会社さんから新規の業務依頼が来ました。まずはご縁を手繰っていただき光栄です。ありがとうございます。


在所が東京ですから、信州松本からでは通常のミーティングでの進行ができないこと。未就園の2歳を抱えて、既に高齢の父は子育て優先の生活を志向しているため、当意即妙的な機動力がほとんどないこと。これら2点を重々強調させていただき、それでもよろしいのでしたならという条件で案件の受託をすることになりました。


ただ、クライアント先からいただいたお題は深く、「ヤスハラの提唱するブランディングを超えた、全く新しい視点のブランディング」というものです。初対面で自己否定させられるような気分は久々ですわい。いいんですよ、本も5年経ったし。元は取れたしw。ばっさりいきましょうよ、という諦観で取り組まさせていただく所存です。


◆新しい地元
サッカーにはあまり興味がなく、というよりプロスポーツを観るという習慣がないというのが正しいのですけど、松本のJリーグチームがJ2で優勝し、来年からJ1に昇格することになりました! 、というのは正直言って、ビッグニュースでした。


個人的にすごく嬉しいわけではありません(もちろん、悲しいわけでもありません)。その理由となる大元は、小生の周囲に松本のチームを入れ込んで応援している人が複数存在するからです。人口と観客動員数から見ても、そのファン濃度は高いと思われます。


日々の生活で顔をあわせる人が、贔屓チームの勝敗に一喜一憂する姿を眺めてますと、思うのです。ああ、なんとか負けた翌日の寂しげな様子を取り除いてあげれないものだろうかと。まぁ、プロリーグの中での優勝劣敗ってさ、終わりのない無間地獄ですよね。だが、それは言うまいw。


ともかく松本は優勝ですから、来年一部リーグですから、これで人々の笑みが増えるなら、たとえ、一年程度かもしれなくても、やはり嬉しいのでした。移住して4年。もう地元民と呼べるぐらいの関係の根が張ってきてるということでしょうか。


◆新しい食事
相方は表向きは専業主婦っぽい生活ですが、それは世をしのぶ仮の姿。そう、できうるならば将来、食に関するビジネスを新たに創造し、フリーランスやら起業やらを模索している臥龍鳳雛(がりゅうほうすう)やも知れぬ身なのでした。


もちろんその旦那である小生は可能な限り応援しています。妻を起業させ、新たな社会的な立ち位置を獲得してもらう活動を、「髪結いの亭主プロジェクト」と呼んでおります。まさに家庭内新規事業部なのです。髪結いの亭主は、その成功の暁には宿六として左うちわ生活という野望を抱いております。


当然ながら、食事には相方がトライしたいレシピが数多く登場し、信州に来てからずっと研鑽を積んできているせいか、なかなか初見とは思えない出来栄えにこちらも「このプロジェクトはいけるかも?」と期待を膨らませつつあるのでした。


まぁ、そんなにビジネスは甘くないけどさ。ちなみに、小生は週一の夕飯を担当しております。腕の差は開くばっかりだよ。7歳の娘からは「トーチャンが勝っているのは餃子と生姜焼きだけだな」って、ごめんな。


ただ、この生活に根ざしたプロジェクトのいいところは副次効果が高いところではないでしょうか。もちろん、表面的には夕飯が美味いところですよね。しかし、もっとも重要なのは、日々の生活と未来が一本に繋がるところです。


今を大事にできる機運が家族の中に漂うのです。本当に仕事にまで行き着けるかは誰もわからなくても、この皿に思いを込めていることは7歳児、いや2歳児だとしても伝わるのではないでしょうか。

11月15日

「新版 マーケティングの基本」が増刷になりました。ありがとうございます!
堅調な販売とのことで、多くの方々からご支持に深く感謝いたします。



::::::::::::::::::::::::::::::《閲覧注意》::::::::::::::::::::::::::::::


以下、ヤスハラのただの自慢話とも受け取れるような内容が、読み手の方々を不快にさせる恐れがあります。ご留意ください!


と、前振りをしておき、心置きなく本題へw。


■ヤスハラ・マーケティング・オフィスと書籍出版、その目的について


2000年に1冊目の「入門・ブランド・マーケティング」を出版させていただいてから、かれこれ18年ってことになります。その間、世に出た本は全部で5冊(それと改訂版で2冊、監修本は除く)となっております。で、過去の5冊はすべて増刷になっております。


それぞれの部数は今のところ、6千部、3万部、1万5千部、5万2千部、1万8千部、といった感じですからね。累計12万部+かあ・・・・、我ながらよくここまで来たとは思いながらも、絶対冊数ではベストセラー作家とは到底言えません。


でも、増刷率が100%(5/5)ということは打点は低くても出塁率の高い書き手ではないかと思っております。ただし、これは書き手のみの手柄ではなく、出版社を含めたプロデュース力も含めたものですので、そういった巡り合わせも貢献してることは確かです。


そんな流れで、この増刷率100%の理由がいくばくかでも小生の側にもあったとすれば、それは何だろうかをメモしてみようと思います。


まず、そもそもの書籍出版の目的ですが・・・・、印税生活程遠い部数での活動には(有難いことに、不意の収入源にはなってはおりますが)、当然ながら、出版から派生するビジネス効果を期待しているわけです。


(1)認知効果:
フリーランスであるヤスハラの存在を示す効果です。商品で言えば知名率ですね。しかし、商品広告と決定的に違うのは、書籍は見込み顧客を興味関心で絞り込んでくれることです。


マーケティング実務に従事している人の率が100人中0.1%程度であれば、一般の人々10万人に知られていることより、マーケティング実務に従事している千人(つまり、専門書に区分される実売千部)に知られていることの方が効果が高いとも言えるのです。B2Bマーケティングの原則でもあります。


(2)品質効果:
サービス業は品質が見えにくいので、それを見えるようにしてくれます。品質を理解してもらうには少しでも体感してもらわねばなりません。サービス業の弱点はそこに人を介在させる必要があるということです。


ですから、ヤスハラは公開セミナーなどをしてきたわけですが(今はもうしてません、ごめんね)、これも書籍によって語る内容をおおよそ知ってもらう、または、その体験後に追認してもらうことで、品質への理解を補完してくれるのです。


フリーランスはできる活動に限りがあります。見込み顧客に会う時間が少なくても業務契約に至るようになったなら、本業や次の仕事の仕込みにリソースを充てることができます。一人親方であるヤスハラ全体のROI(Return on investment)アップにも貢献していることになります。


(3)推奨効果:
実は本ならではの効果がこの推奨効果です。残念ながら、ヤスハラを良いと押してくれる人がヤスハラを他者にうまく説明できるとは限りません。むしろ、コンサルを雇った方がいいのではないかというモヤモヤ感にはキレイな説明は難しいのが普通です。


すると、「こんな本を書いている人ですよ」といった紹介がその労力を軽減してくれます。紹介しやすさを作ってくれる媒介ってやつです。特にフリーランスにはサポーターが必要です。実務に従事している間に誰かが営業してくれるサイクルが望ましいので、書籍が敏腕な営業マン(本の内容によるけどね)になってくれるのは有難い限りなのです。


さて、この3つの効果を引き出すのが出塁率の話になると思っております。


特定のビジネスに関心のある人々への認知を強化するとき、小説のように日本中津々浦々の本屋に置かれている必要は全くありません。むしろ、大きな書店であり、それなりにカテゴリー全体の書籍が充実しているところにこそ、読んで欲しい読者は自ら集まってくるのです。


ヤスハラの書いた書籍はすべてアカデミックなマーケティングやブランド論の棚に置かれても違和感のないテーマとなっています。アカデミック系は長く棚に置かれますから、それにあやかろうという算段でございます。


従って、掲げるお題も常にセンター返しを心がけてきました。煽ったテーマにもせず(ひっぱらない)、時流追従なテーマにもせず(ながさない)、ですな。もちろん、打った瞬間は「抜けてくれ!」って祈りながらねw。


次に、レベル感の話です。アカデミックな話になると極端に読者数は減ります。相反して、ある一定量以上売れることをビジネス向けの出版社は求めています。その一つの指標が増刷であり、初版の出版コストを回収していき、最終的には利益をだすという過程なのです。


ですから、必然、入門や基本といったエントリー系の目線で書籍が書かれることになります。これによって書籍を手に取る人の間口が広がるからです。ヤスハラも可能な限りこの専門的でありながら間口が広いゾーンを狙って書いてきました。賢いクライアントと出会うには目線を下げすぎてもいけないし、出版社との良縁を維持するためには目線を上げすぎてもいけないという加減です。


難しさと簡単さのミディアムさとでも申しましょうか。たぶん、ホームランを狙わず野手の間に落とすぐらいのミート中心のバットの振りってやつでしょうかねw。


最後に、見たくなる構成の工夫です。


マーケティングなどは類書がメチャクチャ多いカゴリーです。このとき、個性の出し方は限られます。ヤスハラの場合は図表がそれを担うのですが、できるだけ硬軟と難易を混ぜながらチャートを作成するようにしています。


・「どっかで見たことがある気がするような定番的なチャート」
・「よく使う用語を目新しい配置にしてあるチャート」
・「全く新しい用語や意味をシンプルな図形表現で魅せるチャート」


・・・の3種が基本形となっています。これらが混ざり合うことで、結構、奥行きを感じてくれます。「今度のプレゼンに流用しちゃおうかな」とか思ってくれれば最高なのです。立ち読みしてたら、家に持って帰ろうかって思いますよね? ここだけ写メしてもいいけどさw。


ほら見てって、他の人にページごと見せるようなものですからね。ここでの書籍の出塁率は、後続のバッターである推奨者のヒット率を高めるのです。ヤスハラの打点は低くても進塁できますから、得点に貢献する確率は上がります。


ってな野球メタファーでまとめてみました。とはいえ、どう読んでみても本を出した人の「どうですか?僕って!」のドヤ感はプンプンです。まあ、小者の与太話だと思っていただければ幸いです。。